サムティは投資用マンション開発・賃貸・ホテル事業をメインに扱っている企業です。
ホテル宿泊割引券 が株主優待として貰えることから、優待目的の投資家からは注目されています。
内容は次の表の通りです。3ホテルとは「センターホテル東京」「エスペリアイン日本橋箱崎」「エスペリアイン大阪本町」を指します。
300株で無料宿泊券が貰えるのは非常に魅力的ですね!
所有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上300株未満 | 3ホテル共通宿泊割引券(3000円)2枚 |
300株以上1500株未満 | 3ホテル共通の無料宿泊券2枚 |
1500株以上 | 3ホテル共通の無料宿泊券2枚 天橋立ホテル宿泊割引券(5000円)4枚 |
コロナ禍で外出自粛となったことから、ホテル・賃貸事業は大きな打撃を受けることとなりました。
外出できないのではホテル優待をもらっても仕方ないですよね、、
この状態が続くと業績的に苦しいのですが、コロナの国内感染者数推移は8月上旬をピークに減少傾向となってきました。
6/19には国内移動自粛が全面解除され、政府推進のGo To Travrlキャンペーンも10/1から東京発着旅行の対象除外を”解除”することから、景気回復への兆しが見えてきました。
そこで、この記事では
- サムティがコロナ禍でどの程度の打撃を受けたのか?
- 今後コロナ影響から復活するのか?
- 投資タイミングは?
を7/15日に発表された決算内容を踏まえてまとめます!
サムティの2020年11月期決算はかなり悪い
では決算の内容を見ていきましょう。
2019年および2020年11月期2Q決算のまとめは次の通りです。
売上高は前年同期比▼42.9%
営業利益は前年同期比▼61.5%
1株当たり純利益は前年同期比▼69.7%
この比較だけ見るとコロナ影響でかなり”ヤバイ”状態ですね笑
しかしサムティとしては、
2019年は上期で物件売却が偏り、2020年は下期で物件売却が偏ったため利益の差が大きい
2020年も通期では2019年同様の利益が出せる
と主張しています。通期計画を見てみましょう。
2020年通期計画
2020年の通期計画の内容は以下の通りです。
景気動向の影響が軽微な賃貸マンション・オフスビル中心に売却予定
コロナ影響は読みにくいため業績予想は幅を持たせている
売上高予想は88,000〜105,000百万円
営業利益予想は14,600〜16,900百万円
当期純利益予想は8,500〜10,000百万円
売上については売却が確定しているものもあり、最低でも前年比+24億円は出せるとしています。
あくまでコロナ影響鈍化が前提ですので、例えば今後コロナ第二波、第三波が発生し、ロックダウンする状況となれば話は変わるということは注意する必要があります。
実際回復の芽はあるのでしょうか?主力事業の一つであるホテル稼働率と、中期の経営計画を見てみましょう。
ホテル稼働率の回復
ホテル稼働状況はどうでしょうか?
4月の終わり頃にホテル稼働数が最も落ち込んだ後、5月末頃から稼働数はゆっくりと回復傾向にあります。
コロナ感染者数がピークに達する8月上旬前の段階のホテル稼働数は、2020年の2月頃の段階まで回復しました。
”サムティ強靭化計画”
また、サムティは業績向上のための新しい中期経営計画として、サムティ強靭化計画を打ち出しています。要点をまとめると以下の通り
ざっくり述べると、①営業エリアを増やして、②エリア拡大で減った資本を賃貸収入で回収し、③資金をSRR (サムティレジデンシャル投資法人 (3459))から投資家に提供し、”フィー”すなわち手数料で儲けますよという計画ですね。
計画としては分かりやすいですね。会社の業績を伸ばす計画が具体的であるほど、期待感から株価は上がります。
配当金
業績が不透明な場合、「減配するのか?」「配当性向は高すぎないか?」をチェックする必要があります。配当金の状況としては
2020年の年間配当は前年比+3円の82円を予定
配当性向は33.0〜39.2%
なんと“増配予定”でかなり強気な方針です。
また配当性向も最も高くて39.2%は高すぎない水準で良いですね。 (減配リスクが出てくるのは70〜90%くらいから)
適性株価
9/25の終値は1490円でした。
このまま計画通りの利益を出す場合、適性な株価はどの程度になるかを推測してみましょう。
株価は株価収益率(Price Earnings Ratio: PER)に1株当たり利益(Earnings Per Share)を掛けると求められます。
株価 = PER×EPS
PERは会社予想PERを拝借しましょう。予想PERは7.2です。
EPSは当期純利益を発行済み株数で割ると求められます。当期純利益をレンジを考慮して8,500百万円〜10,100百万円と仮定すると、発行済株式総数が41,020,140株ですから
EPS (最小) = 8,500,000,000 ÷ 41,020,140 = 207.2円
EPS (最大) = 10,100,000,000 ÷ 41,020,140 = 246.2円
これにPERを掛けると適性株価が予測できます。
適性株価 (最小) = 207.2 × 7.2 = 1492円
適性株価 (最大) = 246.2 × 7.2 = 1773円
適性株価は1492〜1773円の間と推定できます。現在1490円ですから、ちょうど適性株価 (最小)に到達した位ですね。
現在の株価チャート
直近の日足チャートを見てください。面白い動き方をしていますよ

先ほどファンダメンタル的には適性株価のレンジが1492円〜1773円と推定できました。
直近のチャートの動きでは5月中旬頃に株価が続伸して、適性株価最小値の1490円付近で反落
その後8月から再び続伸して1490円付近でまた止まり、直近のMACDは下落トレンドを示しています。
“ここから先は不透明な領域だぞ!”という不安の声が聞こえてくるようですね笑
投資方針
次の決算情報が確定するまでは1490円より上の株価では揉み合うことが想定できます。
1490円を割り込む水準までタイミングを図るのが良いと考えられます。
まとめ
この記事では「サムティがコロナ禍で受けた影響」「今後の業績見通し」「投資判断」について具体的に整理しました。結論としては
適性株価ラインを越えたら買いを控える
コロナ再流行で業績予想下方修正もあり得るので感染者数推移は要チェック
です。くれぐれも投資は自己責任で!
それではまた次の記事で。