【NTTドコモ】NTTがドコモを完全子会社化!TOBとは?企業買収で株価はどうなる?

NTTドコモは1991年に移動体通信事業を主とした子会社としてNTTが設立した会社です。

1998年に東証一部に上場後、現在では大手キャリアの一角として知らない人はいないような有名企業となっています。

9/29に親会社であるNTTが、上場子会社であるNTTドコモをTOBにより完全子会社化すると発表しました。何が起こるのでしょうか?

今回の記事では

  • TOBとは何か?
  • 買収側と買収される側の株価はどう動くのか?
  • ホルダーはどう動けばいい?

についてまとめます!

TOBとは?

TOBとは”Take Over Bid”の略称で、日本語では「株式公開買付」と呼ばれます。

TOBが行われるのは資本業務提携を主な目的とした友好的な買収の時です。

今回のケースですと、NTTドコモはNTTが経営一元化して効率化した方が収益性上がりますよね?協力しましょうという合併ということです。

NTTドコモの株ははTOB前の段階でNTTが約64%保有していました。

今回のTOBではNTTが市場に出回っている残りの約36%の株を全部買い占めます!ホルダーの皆さん売ってください!と言っています。

いきなり手持ちの株が叩き売られたらたまらないですよね。安心してください

プレミアムと呼ばれる上乗せ幅をつけて現在価格より高値で売却できます

NTTの発表では取得価格は1株3900円で28日終値に4割のプレミアムをつけるとしました。

9/28の終値が2775円でしたから、1株当たり+1125円で売却することができます。

買収総額はなんと約4兆2500億円にも上り、国内企業TOBでは過去最大です。

NTTドコモの株はどうなる?

では今後NTTドコモの株は具体的にどう扱われるのでしょうか?

すでにNTTドコモを持っている場合と持っていない場合でまとめます。

NTTドコモ株を既に持っている場合

TOB に応じて指定の証券口座にTOB申込書を提出するか、市場で売るという手段が取れます。

TOBに応じる場合、今回NTTドコモ指定した証券口座は「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」です。

MUFGのサイトで公開買付に関する案内が掲載されていました。

  • 公開買付期間は9/30〜11/16まで
  • NTTから公開買付期間末日の次の日に結果公表
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券から買付通知書が届く

手続きを踏めば3900円確定でNTTに譲渡することができます。

面倒だと思った場合は、市場価格もTOBキャピタルゲインを狙って3900円近くまで上昇するため市場で普段通り売却してしまうのも一つの手です。

一般的にはTOB発表後株価は急騰し、公開買付日まで指定価格で張り付くため、余裕を持って3900円近くで売却できるはずです。

NTTドコモ株を持っていない場合

「現在の価格から確定で3900円まで上昇させて売ることができる」と聞いたらどうなるでしょうか?

当然ものすごい数の買い注文が入ります。9/29のNTTドコモの出来高は以下の通り。終値が3213円まで跳ねました。ヤバイですね笑

このようにTOB発表後は買い注文が殺到するため、希望の価格で注文が通らなかったり、想定以上で掴んだ後にTOBに抵抗などの悪材料が出ることで、売りに掴まるというパターンも多く見られます。

今回は友好的なTOBですので悪材料が出る可能性は極めて低いと考えられますけどね。

ですので、基本的に後乗りしてもそこまで利幅は取れず、むしろ下がるリスクだけある状況なのだなという意識は持ってください。

NTTの株はどうなる?

買われる側の値動きは比較的分かりやすいのですが、買う側の株価は読みづらいです。

というのも、買収を投資家がどう捉えるか?によって上にも下にも動くからです。

株価下落方向へ傾くマイナスイメージは例えば次が挙げられます。

  • 買収資金調達で自己資本が減るのでは?
  • 買収後業績が低迷したままなのではないか?
  • TOB価格が高すぎではないか?

今回TOBの価格自体はプレミアム+40%とそこまで高すぎるという金額でもないです。

ただ、会社の規模が大きいだけに買付代金が最大約4.3兆円という莫大な金額というのがネックです。

NTTは手持ちで買収資金が足りないため、

三菱UFJ銀から1兆5000億円、三井住友銀行から1兆2000億円、みずほ銀行から7000億円、農林中央金庫から4000億円、三井住友信託から3000億円、政府銀行から2000億円を上限に

借入で充当予定です。

NTTドコモとの合併で、この負債をペイできるほど営業利益を伸ばせるのか?というのが投資家の需給に影響します。

9/29時点のNTTの値動きを見るとあまり好感されていないように見えます。

短期的にはじりじり動きそうですね。

また、「菅総理の携帯値下げ策の影響がどこまで響くのか」も不透明感に拍車をかけています。

次の決算が発表されるまではあまり触りにくい銘柄かなというのが所感です。

まとめ

この記事では「NTTのTOBで何が起きたか?」「それぞれの株はどう動くか?」「ホルダーはどうすればよいか」について整理しました。

結論としては

  • 元々NTTドコモホルダーの方: おめでとうございます!利益確定です
  • これからNTTドコモを買おうとする方: ほぼ利幅は取れないことが多いです
  • NTTホルダー、これから買おうとする方: 長期目線の投資になります。決算の良し悪しが出るまで不透明な状況

くれぐれも投資は自己責任で!

それではまた次の記事で。

最新情報をチェックしよう!
>

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.