日本電信電話と聞くと堅苦しさを感じますが、皆さん馴染みの深いNTTです。ちなみにこちらの銘柄、JT, 日本郵政に並ぶ財務大臣保有銘柄です。
個人投資家の保有比率は6%ほどしかなく、基本的に株価はヨコヨコの高配当狙い銘柄ですね。従って、今後も安定した配当を出し続けてくれるのかというのが注目すべき点です。
8/11に4-6月の決算が発表されました。このブログでは
- 2020年4-6月決算で日本電信電話の業績はどうだった?
- 今後の配当金はどうなる?
- 投資判断はどうする?
について、具体的にまとめます!
NTT業績はどうなったか?
3ヶ月決算の推移と1Qの決算概況を見てみましょう。

1Q決算の要点としては、
営業収益は前年同期比▲5.1%で2兆7665億円
営業利益は前年同期比▲1.5%で4976億円
当期純利益は▲2.8%で2726億円
新型コロナウイルス影響から減収減益となってしまっていますね。
どの事業の影響が大きいでしょうか。2020年4-6月のセグメント別の状況を見てみましょう。
移動通信事業の営業収益は前年度比で▲611億円の減少
国際通信事業の営業収益も前年度比▲686億円の減少
特に移動通信事業と国際通信事業が減少していることが分かります。つまり、新型コロナウイルス影響から、販売収入と国際ローミング収入が減少していることを表しています。
NTTドコモでは営業収益の減少分をコストカットで打ち消し、1Q営業利益をプラス18億円としていましたが、本体のNTTの営業利益はプラスに及ばなかったようです。
2020年度業績予想
今年度の業績予想はどうでしょうか?要点は以下の通りです。
コロナ影響から営業収益は▲4000億円の予定
経済回復織り込み及びコストカットから営業利益は増益予定
設備投資費を▲800億円削減予定
全体の見通しとしては、減収するも通期では営業利益をプラス278億円出しますよと述べています。ただし、緊急事態宣言再発令なしを仮定する等、経済回復を前提としている点に注意です。
中期経営戦略
本当に今年度営業利益をプラスに出来るのかというのは経営戦略次第です。中期経営戦略に関する方針の要点は以下の通りです。
2020年6月30日時点で全都道府県への5Gサービス基地局設置完了
NECと協業で研究開発・グローバル化を強化
三菱商事と協業し、再生可能エネルギー発電事業、EVに注力したエネルギーマネジメント事業を推進
Al活用の特殊詐欺対策サービス提供予定 (2020年11月)
5Gサービス基地局展開や研究開発・新事業展開は6, 7月で実施完了していることが分かります。つまり種まきは終えており、成果は2Q-3Qにかけて現れてくると予想できます。1Q段階よりは利益の伸び代があると言えるでしょう。
新事業については8/13に三菱商事の決算があるので、その情報も踏まえて規模感を判断したいですね。
配当金はどうなる?
配当金についてはどうでしょうか?以下のスライドを見てください。

現段階で自己株式取得は未定ですが、20年度の配当金は前年度から5円増配して100円を予定しています。これでなんと10期連続の増配となります。
配当利回りは4.0%とまずまずの水準。配当性向は43.2%とまだ余力がある状態と言えます。
株価の推移は?
株価の推移はどうでしょうか。日足チャートで見てみましょう。

日本電信電話の株価は個人投資家の所有比率が6%と少ないため、基本ヨコヨコのレンジ相場となります。
従って短期投資には不向きで、配当狙いの長期投資家向けの銘柄となります。
まとめ
この記事では「日本電信電話の業績推移」「配当金の推移」「投資判断」について整理しました。結論としては
- 業績はコロナ影響から減収減益で不振、5G事業に期待
- 配当金は10期連続増配と配当狙いの投資家には嬉しい
- 買うタイミングはいつでもあまり変わらない。短期売買は不向き
です。くれぐれも投資は自己責任で!
それではまた次の記事で