【三菱商事】 株価好調! 1Q決算からの経緯まとめ 今後の三菱商事の株価動向は?

世界最大の投資家ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが日本5大商社株をそれぞれ5%保有していることを発表し、商社株は月の初旬から9月初旬にかけて大きな上昇がありました。

5大商社の中でも特に三菱商事の株価上昇は目を見張るものがあります。

今回の記事では

  • 5大総合商社における三菱商事の立ち位置
  • 三菱商事株価上昇の経緯
  • テクニカル的に見た現在の株価
  • 商社株に対する今後の投資方針は?

について具体的にまとめます!

5大総合商社における立ち位置

商社のビジネスモデルは「商取引・事業投資」です。

商取引では世界中の生産業者から仕入れた商品を取引先へと販売するトレーディングを、投資業務では成長を見込める企業や試験開発への投資を行います。

5大総合商社ではトレーディングおよび投資に力をいれる事業がそれぞれ異なります。三菱商事は金属・エネルギー事業(石油・天然ガス)などの資源を主力としたビジネスモデルという特徴があります。

各総合商社の特色については以前の記事で整理していますので、是非ご覧ください!

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三菱商事の株価が上昇した経緯

三菱商事の株価はこの数週間で大きく変動しました。その要因を時系列で確認してみましょう。

三菱商事1Q決算は微妙

8/13に2020年4-6月の決算が発表されました。3ヶ月決算の推移は以下の通りです。

出典: 株探

売上高が前年同期比▲32.3%、純利益も前年同期比▲77.3%と不調です。セグメント別の推移はどうでしょうか?

  • 天然ガス事業では前年度比▲205億円で63億円の利益
  • 自動車・モビリティ事業では前年度比▲227億円で▲401億円の損失

2019年度と比較して、特に天然ガス事業と自動車・モビリティ事業の利益減少が目立ちます。

これはコロナ禍の状況での外出自粛、サプライチェーンが滞ったことが主要因と言えます。

7/27の三菱自動車の赤転決算前後から、三菱商事の決算も悪くなるだろうと織り込まれていたため、決算後の株価の動きはヨコヨコとなりました。

バークシャー・ハサウェイ社が5大商社株を購入

その後の8/31にビッグニュースが舞い込みます。

世界最大の投資家ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが日本5大商社株をそれぞれ5%保有していることを発表しました。

そのニュースを受け、8/31より三菱商事の株は急騰しています。

ではなぜバークシャー・ハサウェイはこのタイミングで日本の5大商社株を購入したのでしょうか?

日本総合商社株の割安感

日本は島国であることから、他国との商取引は必須となります。

従って日本の総合商社というのは潰れると日本経済自体が成り立たなくなる根幹の存在であり、莫大な事業規模を有しているという見方ができます。

その状況下で現状の株価がかなり割安に位置しており、今後の長期成長性が見込めると判断したことが考えられます。

暴騰する米株に対するヘッジ

コロナ禍発生後の米国株は金融緩和で市場に流入するマネーが増加したこともあり、GAFAMを筆頭とするハイテク銘柄の株価が急激に暴騰しました。

この割高感のある米株に対するヘッジとして日本商社株購入を選択した可能性があります。

また、コロナ禍での暴落から急速に復活したハイテク株と比較して、エネルギー等のオールドエコノミー銘柄の復活は出遅れ感があります。

FRBがインフレ2%を目標として低金利政策を実行する発言をしていることから、長期的にオールドエコノミーも復活すると判断し、商社株への投資を実施したことも考えられます。

総合商社は多事業に着手するコングロマリット企業であるため分散投資の意味合いでも有効と考えられます。

三菱商事の株価チャート

では三菱商事の株価チャートをテクニカル的に見てみましょう。週足チャートです。

ダブルボトムを形成

4月から7月の期間にかけてダブルボトムを形成しています。ダブルボトムとは底値圏でみられるチャートパターンで、相場が上昇トレンドに転換することを示唆しています。

出来高

8/31の出来高は過去半年でも最も高く、バークシャー・ハサウェイのニュースを受けて大量の買いが入り、上昇トレンドとなったことを意味します。

RSI

RSIは株価の過熱度を示し、売られすぎか買われすぎかが測れます。8/31のRSIは60.11と過去半年で最も高く、株価的には少し過熱感がある状況というのが分かります。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは統計学を応用したテクニカル指標です。σはある日数の移動平均に対する標準偏差であり、σの振れ幅に株価が収まるのは確率的に何%かを示します。

株価がバンドに収まる確率は次の通りです。

±1σ: 約68.3%

±2σ: 約95.4%

±3σ: 約99.7%

三菱商事の株価は8/31にボリンジャーバンド (BB)の上値2σを突破後にやや下落しているため、想定通りの値動きを言えます。

一目均衡表

一目均衡表の雲に着目してみましょう。株価と雲の関係でトレンドが判断できます。雲を上抜けすれば上昇トレンド、下抜けすれば下落トレンド、雲の中に止まれば中立です。

8/31から株価は雲に突入し、雲を上抜けせず止まっていることから、一目均衡表としては中立状態であることが分かります。

今後の方針

テクニカル指標的に判断すると三菱商事の株価は短期的に少し下がる可能性はあります。

一方長期投資目線で考慮した場合、日本の商社は日本経済が輸出入に頼るスタイルである以上常に必須であること、実質多事業分散投資であること、バークシャー・ハサウェイが長期投資の有用性を見込んだことなどを考慮すると保有する価値があるのではないかと考えます。

まとめ

「5大総合商社のなかでの三菱商事の立ち位置」、「ニュースから見た最近の株価変動」、「今後の投資方針」について整理しました。

要点をまとめると以下の通り。

  • 日本商社は日本経済の根幹に位置する大規模コングロマリット企業
  • バークシャー・ハサウェイは現状割安と判断して参入
  • 投資方針としては長期目線運用が吉

超長期でディフェンシブに保有する銘柄としては十分に採用価値のある銘柄ではないかと判断できます。

くれぐれも投資は自己責任で!

それではまた次の記事で。

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