ミンカブ・ジ・インフォノイド (以下ミンカブ)は金融機関の顧客向け情報サービスを提供しています。
私は普段日本株の決算情報やニュースを調べる時は、まずKabutanというサイトから開くのですが、このサイトもミンカブが運営しています。
ミンカブの株価はこの1ヶ月でグングンと伸び続けています。今回の記事では
- ミンカブが扱う事業内容と業績推移
- なぜ株価が急伸しているか?
- 株主優待も強化
- 今の株価は割高?
について、具体的にまとめます!
ミンカブの事業内容
ミンカブは大きく分けて2つの事業を取り扱っています。
「メディア事業」と「ソリューション事業」ですね。
メディア事業
株式、仮想通貨、外国為替、先物、投資信託、保険、不動産などのあらゆる金融商品に対する投資情報を顧客に提供する事業です。
メディア事業の枠組みとしてはB to Cの形態となっています。
代表的なサイトとしては「みんなの株式」や「Kabutan」などが挙げられます。
規模としても国内最大級で、月間のUU数は900万人+、月間訪問ユーザー数は2600万人+と圧倒的な利用者数となっています。
ちなみに”UU数”とは”ユニークユーザー数”の略称で、「一定期間内で異なるユーザーが何人サイトを訪れたのか?」を示します。つまり、同じユーザーが何度もサイトに出入りしてもUU数は1となります。
したがって、ミンカブのサイトを利用している人は、被りをカウントしなくても月間900万人以上はいると言っています。
昨今は「つみたてNISA」の普及や老後資金への不安から投資に興味を持つ人が増えている傾向にあるため、今後ミンカブが運営するサイトのニーズはますます高くなることが予想されます。
ソリューション事業
メディア事業で得た、ユーザーの投稿や閲覧履歴を集約したビッグデータを解析し、金融機関向けにソリューションパッケージとして情報提供するB to Bの事業です。
顧客層としては、地銀、保険、不動産会社の他に、REIT・投資信託会社など幅広く350社以上展開されています。
メディア事業は主にサイトを訪れた顧客の広告収入がメインですので、収益にブレがありますが、ソリューション事業は契約料金が確定している「ストック型」のビジネスです。よって収益の安定性はこちらの方が高いことになります。
業績の推移
ではミンカブが提供しているサイトのKabutanから、ミンカブの業績推移を教えていただきましょう笑。
3ヶ月決算は以下の通りです。

2020年4-6月期は売上高が前年同期比+63.6%と大幅上昇。売上営業利益率も前年同期の6.4→14.1%に大幅改善しています。
2020年4-6期では売上高823百万円に対し、ソリューションビジネスの売上が469百万円と57%と少し比率が高くなっていました。
「ストック型」の収入が得られるソリューション比率が高くなることは、安定した経営を確立する上で重要です。
また、メディアビジネスは広告収入メインと書きましたが、最近では株探プレミアムなどの定額料金サービス、いわゆるサブスクリプションモデルも成長させようと奮闘しています。
顧客数の伸び代もまだまだあると思われますので、次の11/4の決算に着目したいですね。
株価急伸の理由
気になる株価の推移ですが、以下のチャートを見てください。日足チャートです。

9/30に株価が急騰し始めましたね。何が起きたのでしょうか?
日経QUICKとの業務提携を発表
ミンカブは9/29に日本経済新聞社グループの株式会社QUICKと業務提携すると発表しました。
QUICKもミンカブ同様の金融情報サービス会社で、金融・資本市場に関わる顧客の意思決定を援助する情報インフラを確立していました。
この業務提携発表から、より強固な事業基盤を構築できるであろうと投資家から好感され、株価が急騰するに至ったと考えています。
株主優待強化も発表
また、ミンカブは株主優待制度の拡充も9/11に発表しています。
優待の対象となる株主に対して、現行の2倍の株主優待ポイントを提供すると発表がありました。詳細は以下の表の通りです。

最低ラインが500株〜なので少しハードルは高いですね笑
継続保有して2年目以降となると保有株数に対する進呈ポイントも増加します。
現状の株価は割高?
ビジネスモデルとしては将来有望ですが、現状の株価は割高なのでしょうか?
株価指標をまとめてみましょう。
株価 | 3320円 |
PER(予) | 91.3 |
PBR(実) | 13.5 |
PSR(予) | 11.4 |
配当性向 | 46.5 |
自己資本比率 | 56.5 |
PERが91.3, PBRが13.5とこの2指標では割高な数値です。
しかし、PSR (時価総額/売上高)は11.4とそこまで割高とは言えません。
また、配当性向は46.5%と健全。自己資本比率も50%を超えているため、資金繰りに関しては問題ないと言えます。
まとめ
今回の記事ではミンカブ・ジ・インフォノイドについて、「事業内容と業績」「株価急騰の理由」「株価が割高かどうか」について整理しました。結論としては、
- 国内最大級の金融データ提供事業。
- 「ストック収入」の増加で収益安定性向上。将来性◎
- 日経QUICK業務提携でさらに事業基盤強化
- PSR的には超割高とは言えない
です。くれぐれも投資は自己責任で!
それではまた次の記事で