【JT】 2020年4-6月決算発表 利益は縮小 減配は無し! 今後の業績は?

  • 2020年7月31日
  • 2020年10月11日
  • 日本株

JTは日本たばこ産業 (Japan Tobacco, Inc)の略称で、高配当銘柄であることから投資家に人気な株の1つとなっています。

世界的なたばこの規制からここ5年近く売上、利益そして株価は低迷し続けていますが、配当金は維持し続け

現在の配当利回り8.5%という驚きの水準となっています。

そして7/31の決算では純利益が前年度と比較し減益となるも再び配当金維持と発表されました。

これは投資家にとって嬉しいニュースですがJTの株を今後バリュー投資し続ける戦略はどうなのでしょうか。

このブログではJTについて

  • これまでの業績はどうだったか?
  • 今回決算でセグメントごとの売上・利益はどうなったか?
  • 今後の配当金推移はどうなるか?
  • コロナ収束後に業績はどうなる?

について、具体的にまとめます!

これまでのJTの業績

まずはセグメント比率を見てみましょう。以下は2019年12月期のセグメント構成を示したものです。

JTのビジネスモデルは国内たばこ約30%、海外たばこ事業約60%、他医薬・加工食品事業と完全たばこ特化企業です。

過去記事でもJTの企業分析をしていますのでお時間がある方はご覧ください。

また、1株当たり純利益は2015年12月期の決算から、現在に至るまで右肩下がりを続けています。

JTの企業分析は過去記事でも行っているので、是非ご覧ください!

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2020年度 第2四半期決算はどうだった?

では今回決算の内容を見ていきましょう。2020年度第二四半期決算結果は以下の通りです。

  • 売上収益は前年同期比▲2.7%
  • 営業利益は前年同期比▲19.1%
  • 四半期利益は前年同期比▲23.8%

売上に関してはコロナ禍影響で▲350億円と大きな損失を被ったものの、プライシング効果で調整後営業利益は▲0.1%に抑えられたと言っています。

では具体的な国内たばこ、海外たばこ事業それぞれの実績はどうでしょうか?

国内たばこ事業実績

国内たばこ事業の3ヶ月決算比較はどうでしょうか?

資料を見る前に、見慣れない用語があるのでチェックしましょう。

RMCとは、Ready made cigarettesの略で、いわゆる普通の紙巻きたばこです。

RRPとは、Reduced-Risk Productsの略で、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品のことです。例としては、電子たばこと加熱式たばこが挙げられます。

  • RMC、RRP製品共に利益減少
  • 調整後営業利益は前年同期比▲25.1%

国内たばこ事業はかなり窮地に立たされていることが分かります。

海外たばこ事業実績

では海外たばこ事業はどうでしょうか?次のスライドを見てください。

  • プライシング効果で利益拡大
  • 欧州の一部市場では数量実績も堅調

決算レポートでは海外たばこの販売数量は減少し、ネガティブな数量差影響が▲111百万ドル、およびネガティブな為替影響▲159百万ドルが生じたとありました。

一方でプライシング効果(単価上昇効果)がそれを上回り前年同期と同水準を達成しています。

海外事業が核であるJTにとってこの結果はプラス印象であり、海外事業はまだ収益率としては維持出来る印象があります。

配当金の推移は?

2020年度配当金を154円で維持とするため、配当金額は右肩上がりを続けている状況となります。

配当性向は95%とかなり高水準まで上がってきています。60%を超えている状態ですと払い過ぎの状況と判断できます。業績の向上が見込めない場合、将来的に減配する可能性は十分あり得ます。

今後の業績見込みはどうなる?

では今後JTはコロナ禍影響から復活するのでしょうか?

売上収益は当初見込みより1700億円下方修正し、前年度比▲7.6%減の2兆100億円を見込んでいます。

また、決算レポート内でJTはコロナ影響によるロックダウン解除を見越すと、U字型に経済回復すると想定しています。

今後世界的にコロナ影響による実態経済への成長鈍化影響が顕在化し景気後退する状況下で、嗜好品であるたばこの売上が急速に回復することには懐疑的です。

次の決算が発表されるまでは積極的な投資はしたくない状況と考えられます。

まとめ

この記事では「JTの過去および今回決算の業績推移」「各セグメント業績の特徴」「配当金の推移」「今後の業績」についてまとめました。結論としては

  • JTの業績はコロナ禍の有無に関わらず過去5年以上右肩下がり
  • 連続増配であるが配当性向はかなり高く、減配リスクあり
  • 海外たばこ事業には期待できるが、業績先行きの不透明感は依然強い

です。くれぐれも投資は自己責任で!

それではまた次の記事で

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