モバイル市場国内シェアNo.1のNTTドコモ。国内3大キャリアの1角で知らない人はいない有名企業です。
8/3に4-6月の決算が発表されました。この記事では
- 2020年4-6月決算でNTTドコモの業績はどうなったか?
- 今後の配当金は?
- 投資判断はどうすれば良い?
について、具体的にまとめていきます!
NTTドコモの業績はどう推移したか?
始めに、3ヶ月決算の推移と決算概況をまとめてみましょう。

営業収益は前年同期比▲5.3%で1兆982億円
営業利益は前年同期比0.7%増で2805億円
当期純利益は前年同期比1.5%増で1953億円
フリーキャッシュフローが-540億円まで減少
新型コロナウイルス影響から販売収入、国際ローミング収入が減少したことから売上は減少するも、スマートライフ事業領域で利益を拡大したことから、当期純利益は増益となっています。
フリーキャッシュフローは2019年度に三井住友カードの株式を売却して1798億円得た反動から▲2288億円減の▲540億円となっています。
セグメント利益の内訳
ではセグメントごとの業績推移はどうでしょうか?要点は以下の通りです。
通信事業の営業利益が▲118億円の減少
スマートライフ領域の営業利益が136億円の増加
スマートライフ領域が136億円増益でした。その事業内訳は次のようになっています。
dTV、dヒッツなどの「コンテンツ・ライフスタイル」が約20%
dカード、d払いなどの「金融・決済」が約25%
補償サービスなどの「あんしん系サポート」が約40%
DXなどの「法人ソリューション」が約15%
となっています。コロナ影響で外出する機会が減少するなか、サブスクリプションやオンラインでの決済でのビジネスモデルが強みを持ってきたと言えます。
営業利益の増減要因
スマート領域拡大で利益が伸びたとありましたが、営業利益の増減要因を見ると注意すべき点があります。
コロナ影響による販売収入減少から、今期営業収益自体は▲611億円の赤字です。それに対してコストカットにより営業費用を▲630億円削ることによって、全体の営業利益を18億円の黒字としています。
つまり増益であるものの、本業では赤字であり実態はコストカット効果となります。
NTTドコモは今後の方針としてもマーケティング・ネットワーク分野で約760億円の大幅なコスト効率化を提示しています。
2020年度業績予想
今年度の業績見通しはどうでしょうか?以下のスライドを見てください。
コロナウイルス影響からローミング、機器収入減少を見越して営業収益は減収予想
スマートライフ事業拡大、コストカットから営業利益は増益予定
5G強化のための設備投資は継続
今年度全体の見通しとしては、売上は下がるが利益は増加するとしています。
投資家の目線では収益の減少を懸念しており、長期的な視点でみるとコストカットだけで持ち堪えている現状から利益縮小傾向へ傾くのでは?と考えています。
今期配当金の予定
配当金の推移はどうでしょうか?以下のスライドを見てください。

20年度の配当金は前年度から5円増配して125円を予定していると発表されました。これで7年連続増配予定とかなり安定していますね。配当利回りは4.2%であり高配当株式投資家にとって朗報ではないでしょうか。
ただ配当性向が65.5%とやや高い水準となってきているため、今後の5Gおよびスマートライフ事業拡大とコスト効率化でどの程度利益を伸ばせるかが注目すべきポイントとなります。
今後の投資判断は?
8/3決算後の日足チャートを確認してみましょう。

決算後、は増配期待から株価が上昇しましたが、やはり業績懸念からその後ヨコヨコとなった後にじりじりと下落を続けています。
短期的な投資ではなく、あくまで配当金狙いの長期投資目的が望ましいと考えられます。
まとめ
この記事では「NTTドコモの業績推移」「配当金の状況」「投資判断」について整理しました。結論としては、
- 業績はコロナ影響から減収減益で不振
- 営業利益はプラスもコスト削減による効果が大きい
- 配当金は7期連続の増配
- 短期売買には不向きな銘柄、配当金狙いの長期保有が前提
です。くれぐれも投資は自己責任で!
それではまた次の記事で。
※2020年10月4日追記
NTTドコモはTOBにより親会社である日本電信電話に完全子会社化されることになりました。TOBについては以下の記事を参照してください。
NTTドコモは1991年に移動体通信事業を主とした子会社としてNTTが設立した会社です。1998年に東証一部に上場後、現在では大手キャリアの一角として知らない人はいないような有名企業となっています。9/29に親会社であるN[…]