サイボウズは1997年に設立された比較的新しい企業です。事業はソフトウェアのライセンス販売、サーバーやセキュリティ環境を提供するクラウドサービスを提供しています。
最近ではコロナ影響でリモートワークが推進されていることから、クラウドサービス事業がアツイということで注目の企業です。
この企業は配当金狙いのバリュー銘柄ではなく、キャピタルゲイン狙いのグロース銘柄ということをまずは念頭に置いてください。
8/13に4-6月の決算が発表されました。この記事では
- サイボウズの前年度との業績比較
- 株価チャートから見た今後の株価推移シナリオ
- 投資判断
について、具体的にまとめます!
業績推移は好調
では始めに、3ヶ月決算の推移を見てみましょう。

売上高は前年同期比+15.9%で38億6600万円
営業益は前年同期比+62.4%で7億4700万円
当期純利益は+60.3%で3億8300万円
かなり好調に売上・営業利益を伸ばしていますね。新型コロナウイルス影響はほとんど受けていない所か、むしろ巣籠もり需要拡大の意味で追い風になっています。
サイボウズの通期経常利益計画23.7億円に対して、半期(1-6月)の経常益は16.4億と進捗率69.1%を達成しており順調です。
株価チャートから見た株価推移シナリオ
サイボウズのような業績の良い企業について、今後株価が理想的にはどのように推移するかをチャートから見ていきます。
過去にサイボウズの株価が爆上げした際のシナリオ
サイボウズはコロナで株価が全体的に暴落した際にカップウィズハンドルのチャートの形を示し、急上昇していました。
カップウィズハンドル
カップウィズハンドルとは、ウィリアム・J・オニールが提唱した成長株の代表的なチャートパターンです。以下の図をみてください。

上記のように取手がついたカップのような形をしていることからカップウィズハンドルと呼ばれています。この形状を示した時は株価が大きく上昇する可能性が高いと言えます。特徴をまとめると以下の通り
カップの上半分で発生。10週移動平均を上回る。
取手形成は2週間以上。ハイテク株は1週間もあり得る。
取手の調整幅は強気相場で8-12%。弱気相場で20-30%。
取手部分は出来高が薄い。
サイボウズの過去チャート
コロナ影響で株価が全面的に下落した2020年3月近傍のチャートは次の通りです。

図の点線で囲んだ部分でチャートがカップウィズハンドルを形成し、その後株価が急上昇していることが分かります。
カップ発生タイミングでの他の特徴はどうでしょうか?
カイリ率
カップ発生点である2020/2/21の50日移動平均線カイリ率を見てみましょう。カイリ率は10%を超えると買われすぎ水準とされます。
2/21時点のサイボウズのカイリ率は約20%であり、かなり割高水準であったことが分かります。

ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは統計学を応用したテクニカル指標です。σはある日数の移動平均に対する標準偏差を示しており、このσの振れ幅内に株価が収まるのは確率的に何%かを表しています。
株価がバンド内に収まる確率は以下の通り。
±1σ: 約68.3%
±2σ: 約95.4%
±3σ: 約99.7%
2/21時点のサイボウズの株価に対するボリンジャーバンドは以下の通りです。
2/21時点で2σのラインにタッチして株価の下落が開始したことが分かります。

今回のシナリオ
過去に上がった時の傾向は分かりました。では現在はどうでしょうか?

株価下落の発生点は6/26日。50日移動平均線とのカイリ率は23.94%でボリンジャーバンドは2σにタッチしてから下落を開始しています。この傾向は前回とほぼ同様と言えます。
もう一点注目すべきは出来高の変化です。8/14に着目してください。

決算直後の8/14まで株価はじわじわと下落を続け、8/14のみ出来高が急増してそれ以降はまた出来高が減少していることが分かります。
ここが売りの出尽くし(セリングクライマックス)と判断でき、株価は一旦底を打ったと考えられます。
過去のシナリオと同様の動きをすると仮定した場合、ここから約1〜2週間かけて上昇後、出来高の減少に伴い少し下落、1〜2週間後に出来高の上昇に伴い新高値ブレイクの流れが予想できます。
業績が好調なため将来的に上がる可能性が高いですが、焦って取引してはいけません。
まとめ
この記事では「サイボウズの業績推移」「株価チャートから見た投資判断」について整理しました。結論としては
- 業績は増収増益で非常に好調。問題なし
- 株価は決算後一旦底打ちしたと考えられる。新高値ブレイク後が狙い目
です。くれぐれも投資は自己責任で!
それではまた次の記事で